2026年4月11日(土)13時〜15時 仲西森奈『ホームページ』(本屋lighthouse)刊行記念イベント「記憶みたいな千葉をめぐって ――市川、船橋、幕張、松戸――」

2026年4月11日(土)13時〜15時 仲西森奈『ホームページ』(本屋lighthouse)刊行記念イベント 「記憶みたいな千葉をめぐって ――市川、船橋、幕張、松戸――」 仲西森奈×丹渡実夢×済東鉄腸

【企画概要】


仲西森奈『ホームページ』(本屋lighthouse)の刊行記念イベントを開催します。

登壇するのは著者・仲西さん、同じく当店出版部から『迂闊 in progress 『プルーストを読む生活』を読む生活』を刊行した丹渡実夢さん、そして『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(左右社)でデビューした済東鉄腸さん。

3人に共通するのは「千葉」。東京で生まれ幼少期から思春期を千葉で過ごしその後は京都→東京→金沢と移動し続けてきた仲西さん、浦安→船橋→幕張と千葉県内を移動してきた丹渡さん、市川から動いていない鉄腸さん……とそれぞれ来歴は違えど、中心に、あるいは意識のどこかに千葉があり続けるなかで、どのようにして作品は生まれたのか。

個々人の生活としては千葉が中心となりつつも、はたから見れば東京の周縁で、とはいえ首都圏という括りで見れば中心でもあり、さらには千葉県内でも東京寄りかそうでないかで自意識に違いがあり……というのが千葉県(民)の特質かもしれません。そうして暮らした・暮らしている千葉での記憶が、時に曖昧になりながらも各々の作品には色濃く反映されていて、この複雑な自意識(あるいは他者への意識)も同様に織り込まれているのではないか。

といった小難しいことはさておき、とにかく「千葉について語り合いたい」と集まった3人のお話をぜひお楽しみください(ほぼ幕張から動いていない関口も乱入するかも)。どんなことを語り合いたいのか(そして語りきれないのか)は3人のコメントにて!!

【登壇者】


仲西森奈
丹渡実夢
済東鉄腸

仲西森奈(なかにしもりな)

1992年5月30日東京生まれ、千葉育ち。京都造形芸術大学文芸表現学科卒。石川県金沢市在住。著書に歌集『起こさないでください』、私家版歌集『日記』、連作掌編小説『そのときどきで思い思いにアンカーを打つ。』『名付けたものどもを追う道筋を歩きながら、』、作品集『ホームページ』。二俣新町駅から乗るシャトルバスでしかたどり着けないような場所にある海辺の物流倉庫で働いていたことがある。この世でいちばん好きな祭りは千葉県松戸市六実のさくら祭り。新船橋駅一帯が硝子工場だったころのあの独特のにおいが忘れられない。

コメント

わたしは幼少期から10代の終わりまでを千葉で過ごしました。正確に言うと、松戸市六実と船橋市西船、そしてその周縁で。今回刊行された『ホームページ』にも、収録作のいくつかに千葉の地名が出てきます。
千葉を出てから、20代のだいたい半分を京都、もう半分を東京で過ごし、現在は石川県金沢市に住んでいます。金沢生活は今年の4月で丸4年。京都へ行くと「帰ってきたなあ」と思うし、東京へ行くと「帰ってきたなあ」と思うし、そこからまた金沢へ戻ると「帰ってきたなあ」と思うようになりました。
けれど、千葉に行って「帰ってきたなあ」と思ったことは未だありません。千葉を出てから六実にも西船にも足を運んだことがありますが、記憶をよすがに街を歩き、景色を見ても、いまいちピンとこないのです。なにかがごっそり抜け落ちているような。わたしはここで、ほんとうに暮らしていたんだっけ。
わたしはわたしの「千葉」を取り戻したい。漠然としているし、自分事すぎるし、なんのこっちゃって感じですが、さまざまな角度から「千葉」を語る/聞くことによって見えてくる何事かが(わたしにも、だれかにも)きっとあるはずです。それは回り回って『ホームページ』について語ることに繋がるのかもしれないし、もっと漠然とした(それでいて具体的な)制作/執筆全般についてや日々の営み、意識の流れ、人が歳を重ねつつ生きてくことなんかにも繋がっていくのかもしれない。
今回、丹渡実夢さんと済東鉄腸さんに登壇のお声がけをしたのは、おふたりがわたしとは異なりつつもときに重なり合うような「千葉」の記憶と体験を有しているのではないかと思ったからです。わたしはふたりの話を聞きたいし、わたしが話すことによってふたりから返ってくるものをよくよく検討してみたい。「千葉」という点で繋がるわたしたちによって、「千葉」で「千葉」が語られ、そこにはなにが残るのか。
……まあ込み入ったことは置いといて、ニッケコルトンプラザとかシャポーとか東武野田線とか総武線とかあそこのたい焼き美味かったなとかあのたこ焼き屋まだあるんだなとかなんであの書店潰れちゃったんだとか千葉キャリのCMって耳に残るよねとか伊藤淳史って船橋市出身なんだよとか小学校の出席番号が男女混交誕生日順だったよねとか、そういう話ができたらわたしはうれしいです。当日は(たぶん)千葉の話しかしないよ!!!

丹渡実夢(たんどみゆ)

2001年、千葉県生まれ。文筆、ライター、フラヌーズ。著書に『迂闊 in progress 『プルーストを読む生活』を読む生活』(本屋lighthouse)。ミニシアターでアルバイトをしつつ、映画館で映画を見ている。『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』の上映によく出現する。

コメント

仲西さんの『ホームページ』を読んでいて、ひさしぶりに西船という地名にふれ、抽斗に仕舞われていた記憶が刺激されました。マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』にはコンブレーやバルベックなど、さまざまな土地の名前が登場し、第二篇第二章は「土地の名、土地」と名づけられるほどこの小説では「土地の名」と記憶がつよく結びつけられています。『ホームページ』を読み、なつかしい西船という土地の名にふれる経験――そしてそこから“思いだす”経験は、わたしにとってプルーストの再来でした。
わたしはディズニーリゾートにほど近い浦安市に生まれ、妹が生まれる4歳までをそこで過ごしました。当時は父がベランダでたくさんの金魚を飼っていたそうですが、記憶はありません。
それから仲西さんが10代を過ごした西船に越し、高校1年生まで京成線沿いの家に住んでいました。中学からは幕張の学校に通うようになったため、西船にコミットしていたのは小学生までのあいだでした。地元の中学に進んだ同級生たちとはまったく会わなくなり、すっかりわたしの魂は幕張のほうに移っていました。
それから幕張へと引っ越し、本格的にわたしは幕張の人間になりました。自著『迂闊 in progress』に登場する祖母も、幕張に住んでおり、幕張の病院で息を引き取りました。行きつけとなり、ついには版元にもなった本屋lighthouseも幕張にある。いまのわたしにとって幕張は、人生と切りはなせない「土地の名」になっています。
とはいえわたしが幕張人を名のれるほど深く幕張に根を張っているかといえば、そうではない気がします。中高一貫校であったこともあり、同級生はみな住みがばらばらでしたし、幕張に友だちはほぼいません。では浦安は? 西船は? 千葉生まれ千葉育ちの生粋の千葉人です、と自己紹介することはあれど、細かい「土地の名」と通じ合えてはいないのです。
わたしは“千葉”を大まかな「土地の名」として、みずからと結びつけているのだと思います。浦安でも西船でも幕張でもなく、千葉という括りならば自分を言いあらわせる気がする。そんな「土地の名」の曖昧さについてもお話できたらうれしいなと思います。そしてもちろん千葉あるあるやそれぞれが違う時期に行っていたおなじ土地の話も! とにかく千葉についてたくさん話せる貴重なこの機会を楽しみにしています。

済東鉄腸(さいとうてっちょう)

1992年千葉県市川市生まれ。映画痴れ者、映画ライター。大学時代から映画評論を書き続け、「キネマ旬報」などの映画雑誌に寄稿するライターとして活動。その後、ひきこもり生活のさなかに東欧映画にのめり込み、ルーマニアを中心とする東欧文化に傾倒。その後ルーマニア語で小説執筆や詩作を積極的に行い、現地では一風変わった日本人作家として認められている。最近驚いたことは市川市動植物園のパンチがルーマニアの新聞でも取り上げられていたこと。市川市以外で千葉でよく行く場所は佐倉市と一宮町。今年は銚子市に行って「アマガミ」の聖地巡礼がしたい。

コメント

俺の住む千葉県市川市、日本の中心地な東京23区に隣接してて“ほぼ東京”って言われること多々!まあ確かに発展してるし、交通の便もいいから日本中から人が来るし、ともすれば海外、特にアジア圏から来た人も多かったりする。ただ間違いなく東京ではない!色々な相違がある、なのに一緒に括られがちというわけだ。
その感じについて俺は、東京23区に対する市川市っていうのは、世界の結構中心めいてるアメリカに対するカナダみたいな立ち位置と表現したくなる。カナダもかなり発展してて、ともすればアメリカより多様で、そのくせ他の地域の人はアメリカとカナダを混同しがちでカナダ文学/映画をアメリカ文学/映画とか言い出したりする。皆さん、例えば「侍女の物語」のマーガレット・アトウッドや「クラッシュ」のデヴィッド・クローネンバーグはカナダ人なんですよ!そして今じゃトランプに51州目の属国扱いされる、それはまるで市川市が“東京の24区目”と言われるが如く……そういう状況からこそ芽生える、他の地域のそれとは異なる逆張り精神というか反抗意識みたいなのをカナダの芸術家や書き手からは感じたりする。
そういう中心に対する最も近い外部の1つ、日本で照らし合わせれば東京23区と接する神奈川と埼玉、千葉の3県にしかない数少ない1つが市川市だ。生まれてこの方市川市から離れたことのない自分は、そういう逆張り精神に対して深い共感があるし、その勢いもままに33年を生きてきた!
そして千葉県自体もまた、東京はもちろん他の地域からすら“ほぼ東京”と見なされがちだが、もちろんそんなことはなく固有かつ多様な風景が広がっていて、この比喩を適用できる立ち位置にあると思えるわけよ。こういう感じで俺は市川市と、そして千葉の多様性を仲西さんや丹渡さんと語れればなと思っている。ちなみにこの意気込み文を書いた場所はもちろん、市川市民の憩いの場ニッケコルトンプラザ!ということでみんなで語ろう、千葉についてね!

開催日:2026年4月11日(土)13時〜15時

12時30分頃より開店、受付開始
イベント終了後、19時頃まで通常営業
*登壇者も時間の許す限り店内に残ります

定員
店内:10名ほど
配信:無制限

アクセス
JR/京成幕張駅より徒歩6分
〒262-0032 千葉県千葉市花見川区幕張町5-465-1-106
*車の場合は近隣のコインパーキングをご利用ください。
*バリアフリー対応のトイレは徒歩2分ほどのマックスバリュー店内にあります

配信について
・ツイキャスを利用します(会員登録不要)
・アーカイブ(録画)もご利用可能です
・zoomの字幕機能を活用予定です

そのほか
お問い合わせは本屋lighthouseまでお願いします。
books.lighthouse@gmail.com